海外債務の実態。東南アジア&アフリカ諸国 20220713(金)

中国への債務、42カ国でGDPの1割超え 

米研究所 (日経新聞記事)

一帯一路「隠れた債務」40兆円規模

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岩間陽子鈴木一人

岩間陽子さん他1名の投稿

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中国の広域経済圏構想「一帯一路」を巡り、融資を受けた中低所得国で

政府の負債として公になっていない「隠れた債務」が3850億ドル(約43兆円)

にのぼることが29日、米民間調査機関の調べで分かった。

 

対中債務が国内総生産(GDP)の10%を超える国は42カ国にのぼる。

中国が不透明な融資を通じて、急速に影響を広げる実態が浮き彫り

になった。

 

米民間調査機関のエイドデータ研究所が同日発表した報告書で

明らかにした。

 

調査では2000年以降に中国政府や国有企業がアジアやアフリカなどの

165カ国で資金を拠出した約1万3000件(総額8430億ドル相当)の

事業について、支出額や負債額などを調べた。

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対中隠れ債務がGDP比で最も大きかったのはラオスの35%。公表している

政府債務とあわせた対中債務は64%に及ぶ。中国による融資は、ラオスで

初となる高速道路「中国ラオス高速道路」の整備にも使われている。

 

20年末には首都ビエンチャンと中部バンビエンをつなぐ

約110キロメートルが開通した。

 

一帯一路を巡っては、相手国を借金漬けにして、債務免除と引き

換えに中国がインフラ権益などを奪う「債務のワナ」の問題が指摘

されてきた。

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中国による情報開示が限られるなか、隠れ債務の規模が示されるのは珍しい。

融資先の財政運営を度外視した中国による過剰投資に一段と批判と警戒

が強まりそうだ。

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報告書によると、中国による途上国向けの開発援助額は13~17年に

年平均850億ドルと米国の同370億ドルを大きく上回った。

 

習近平(シー・ジンピン)指導部が一帯一路構想を打ち出す前の

00~12年は同320億ドルで、米国(340億ドル)と

同じ規模だった。

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債務の全容はつかみにくくなっている。12年までは途上国の政府を

対象にした融資が主だったが、近年は国有企業や金融機関など向けが

「7割近くを占める」。

 

多くの融資では暗黙の政府保証が付いているものとみられるが、

政府債務として報告されないため途上国の財政管理を

難しくしている。

 

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報告書は一帯一路で中国が自国に有利な条件を設定している点も指摘した。

政府開発援助(ODA)以外の貸し付けが中心で、融資の約6割に担保や信用保険、

第三者による返済保証を付けた。

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日本やドイツなどによる開発融資では金利1.1%、返済期間28年が

一般的なのに対し、

中国は金利4.2%、返済期間10年未満が主だった。

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エイドデータ研究所は「中国は多くの中低所得国が第一に頼る融資元

としての地位を急速に確立したが、融資の実態はベールに包まれている」

と指摘した。

 

中国が詳しい情報を明かさないため、一帯一路への参加リスクを

判断するのが難しくなっていると問題点を挙げた。

 

一帯一路の沿線国向けの融資は18年ごろから鈍化した。

受け入れ国側で債務のワナが意識されたことに加え、

「中国自身の経済成長が鈍化してくるなかで、積極的な

対外投融資を続けにくくなってきている」

 

(第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミスト)と

の指摘がある。

 

途上国の財政状況は新型コロナウイルス対策などで打撃を

受けている。中国の融資姿勢の変化により、

一段と悪化しかねない。

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資金繰りに窮し、債務交渉に動く国も出始めた。ロイター通信によると、

アフリカ中部の産油国コンゴ共和国は6月、同国の対中債務24億ドルに

ついて、中国が返済延期に原則として同意したと表明した。

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主要7カ国(G7)は6月の首脳会議で、一帯一路に対抗して途上国

や新興国のインフラ構築を支援する枠組みをつくることで合意した。

欧州連合(EU)も7月に一帯一路に対抗する支援計画を

まとめる方針を決めた。

 

一帯一路に代わる透明性が高い投資として、

新たな選択肢を示せるかが焦点となる。

以上