アメリカの企業評価と映画Money Monster 金融の罠 160611

アメリカで最も成功した女性、5000億円の資産評価額がゼロに 何が起きた?

アメリカの経済誌「フォーブス」が6月1日に発表したアメリカの2016年女性長者番付で、2015年に推定資産45億ドル(約5000億円)で首位だった医療ベンチャー「セラノス」の創業者兼CEOエリザベス・ホームズ氏(32)は、今年の評価額がゼロとなった

 

  ハフィントンポストの記事 アメリカの企業評価の仕組み。光と影。 こういうこともある。

しっかり 学ぼうアメリカの仕組み。その実態。ホームズ氏は波乱の1年を過ごしてきた。かつてはメディアの寵児だった血液検査のベンチャー企業セラノスは、今や批判の的となっている。2015年10月、ウォール・ストリート・ジャーナルが同社の血液検査の正確性に重大な欠陥があるのを明らかにして以来、驚くほどの転落ぶりを見せている。

6月21日発行のフォーブス誌に掲載予定のレポートでは、マシュー・ハーパー記者が次のように記している。

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私たちが行ったホームズの財産氏の評価は、彼女が所有しているセラノスの株式50%に基づいている。セラノスは、診断検査市場に革命を起こそうと2003年に彼女が設立した血液検査会社だ。セラノスの株式は株式市場で取引されていない。2014年に個人投資家たちがセラノスの株を購入した価格は、同社の試算価値が90億ドルであることを示していた。

その後、セラノスは検査が不正確だと摘発されて保健当局から調査を受けている。さらにセラノスの収益が1億ドルを下回るとの新しい情報も出て、フォーブスは新たにセラノスの価値を低く評価した。

世界の富豪や企業の資産価値を評価しているフォーブスのリストは、資産の絶対的指標だとみなされているが、今はセラノスの価値を約8億ドル(約890億円)と評価している。これは2014年に90億ドル(約1兆円)と評価されて「ユニコーン企業」(企業としての評価額が10億ドル(約1250億円)以上で、非上場のベンチャー企業)になったときの額よりかなり低い。

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セラノスのCEOであるエリザベス・ホームズは、2015年9月29日にニューヨークで行われるクリントン・グローバル・イニシアティブの年次会合で話をする。

ハーパー記者は、「このような低い評価額では、ホームズ氏の所有する株は実質的に価値がない」と述べている。「セラノスの投資家たちは優先株を保有している。つまり、普通株式を所有しているホームズ氏より先に払い戻しされる」

それでもセラノスは、8億ドルよりも高い評価をもとに、新しく資金を調達することができる。しかしフォーブスからすれば、セラノスの将来は誰にもわからない。セラノスは、ましな言い方をすれば経営がずさんだが、ひどい言い方をすれば悪質な詐欺を行っていたと言える。2016年3月には、連邦政府の保健当局はホームズ氏を血液検査産業から2年間追放する行政処分を提案した

セラノスの広報ブルック・ブチャナン氏はハフポストUS版に人々はフォーブスのレポートを重要視し過ぎてはいけないと話した。「非上場の会社なので、私たちはフォーブスに社外秘の財務情報を共有することを拒否している。その結果として、フォーブスの記事は不確かな推論と報道のみに基いて書かれている」と、ブルックは述べている。

ビジネス雑誌「フォーチュン」誌のダン・プリマック氏は、財産を簡単には現金化できない新興企業の役員たちの資産を評価するときに起こる問題が、一連の出来事によって明らかになったと述べている。

ブリマック氏は「おそらく将来的には、現金化しにくい有価証券に基いて起業家たちの資産を決める方法は避けられるようになるだろう」と予測する。そのようにやり方が変われば自動車配信サービスの「Uber」のような企業経営者たちの先行きは暗くなるだろうと示唆している。Uberの資産評価額は625億ドル(6.8兆円)だ。「トラビス・カラニック(Uber創設者)なども関わってくるでしょう」

フォーブスはUberのCEOの資産を62億ドル(6800億円)と評価している。

注意: ハフポストの編集主任であるアリアナ・ハフィントンはUberの取締役会のメンバーであるが、Uberに関する報道には一切関わっていない。

★ところで 昨夜 家人と一緒に マネーモンスターを見てきた。映画は青春。
それに 金融の仕組みと 罠。勉強になった。

マネーモンスター

マネーモンスター

英題:
MONEY MONSTER
製作年:
2016年
製作国:
アメリカ
日本公開:
2016年6月10日
(TOHOシネマズ 六本木ほか)
上映時間:
1時間35分
配給:
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
カラー

チェック:『リトルマン・テイト』『それでも、愛してる』で、監督としても高い評価を得ているジョディ・フォスターがメガホンを取ったサスペンス。拳銃を手にした男による財テク番組占拠事件の行方と、その裏に隠された驚がくの真実を活写していく。『マイレージ、マイライフ』などのジョージ・クルーニー、『エリン・ブロコビッチ』などのジュリア・ロバーツ、『不屈の男 アンブロークン』などのジャック・オコンネルらが顔をそろえる。彼らが織り成す濃密なストーリー展開が観る人を引き付ける。

ストーリー:リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)が司会を務め、その巧みな話術で株価予想や視聴者への助言を行う高視聴率財テク番組「マネーモンスター」。番組ディレクターのパティ(ジュリア・ロバーツ)の指示を聞かず、アドリブ全開でリーが生放送に臨む中、拳銃を手にした男カイル(ジャック・オコンネル)がスタジオに乱入してくる。彼は番組の株式情報によって財産を全て失くしたと憤慨し、リーを人質に番組をジャック。さらに放送中に自分を陥れた株取引のからくりを白日のもとにさらすようパティに迫るが……。