澁沢栄一さんの自伝や ご本人の講演の口述を
まとめた現代語訳「論語と算盤」は やはり
素晴らしい。
学者や研究者の方々が、本質を
調べ上げまとめたものが 多く出ているが、
やはり 実践者としての渋沢栄一さん言葉が
身に染みる。
私は 本を初めに読んでから「ビジネス展開」
というのは 過去にあまりしたことがない。
固定観念に縛られたり、身動きが出来なく
なる。あるいは マニュアル通りに 動く
ことの大切さを意識しすぎて にっちも
さっちも行かなくなると恐れた。
殆どの業界は、一流企業でも、
新しい発想や技術で常に、対応する
を、気が緩み、おろそかになると
いつの間にか衰退して、新進気鋭の
会社や、まったく異なる分野からの
新しい発想と、信じられない角度
からの参入で、世代交代も技術の
交代もなされる。
レッドオーシャンになってしまう。
だけど 新規参入者から見ると
ブルーオーシャンに映る。
様々なレッドオーシャン産業で
ブルーオーシャンを 自分でも
体験して来たので 良く判る。
頁を読み進める内に、
渋沢さんは 一番大切な
なんのために、この仕事をするのか?
(この疑問が「原点」だと思う)
回答は、「全ての判断基準を論語」
に求めたことだ。
仕事は、自分の為だけでなく
基本は 世の中の人々を
豊かにすること。
自分の為だけではなく、
社会の公器として、事業を展開する。
渋沢さんが設立にかかわった会社は
約470社(ほぼ一流会社になっている)
500以上の「慈善事業」にも関わって
いることでも この姿勢と実践家で
あると類推できる。
ノーベル平和賞の候補にもなった。
実業も慈善事業も 一生懸命働き
すべての人々を豊かにしようとされた。
そこに一点の曇りもない。
両方とも 論語を根拠とした。
ビジネスそのものの目的も
「論語の実現」だった。
意を強くした。有難い。
時々折れそうな気になることが
あるが、もう一度謙虚に学びなおそう。
読んでいるうちに
励まされているような気になる。
なお「資本主義」や「実業」が
内包する問題点を見抜いておられ
その「中和剤をシステムの中に
織り込もう!」とされたことは
流石で深く感動する。
ドラッガーから絶賛された。
ことでも、渋沢栄一さんは
「世界を救う救世主」となり
多くの人たちを 鼓舞し続ける
だろう。 このご本に出合えて
良かった。
自叙伝「雨夜譚」(あまよがたり)
も 熟読したい。
あ~しあわせ。
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渋沢栄一記念館 @深谷
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ICA SBA 17: Yuko Matsuzaki, Shibusawa Eiichi Memorial Foundation
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渋沢栄一の名演説 ② 1,127 回視聴 2017/09/17
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渋沢栄一の名演説 ③ 623 回視聴 2017/09/17
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渋沢栄一の名演説④ 833 回視聴 2017/09/17
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渋沢栄一が新1万円札の「顔」になる重要な意味
キャッシュレス時代だからこそ考えてほしい
渋沢栄一が新1万円札の肖像になる「偶然と必然」渋沢栄一は私の高祖父、つまり「ひいひいじいさん」にあたります。私から見て4代遡ることになりますから当然、私自身は本人を直接知っているわけではありません。でも、彼が残した言葉は当時だけでなく現代、あるいは未来にも通じるものであると信じています。
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新紙幣が流通する2024年は、恐らく今以上にキャッシュレス化が進んでいるでしょう。
新紙幣の話が決定してからは、「これからの時代に果たして紙幣は必要なのか」という意見も聞こえてきます。
確かに、お金の役割が、モノやサービスを購入するための交換手段だけであれば、キャッシュレスでも問題ありません。しかし、ある時代の人間の肖像をお札に載せるのは、そこに何かメッセージ(意味)があるからだと考えます。
では、渋沢栄一を新しい1万円札の肖像にすることに、どのようなメッセージ性があるのでしょうか。
彼は「日本資本主義の父」と言われるように経済人でした。過去、日本の紙幣で経済人が肖像に用いられたことは、私が記憶している限り、1人もいなかったと思います。
その生涯を通じて500社近い会社の立ち上げに関与しましたが、一大財閥をつくることはしませんでした。その時代に必要とされているモノ・サービスを社会に提供すべく、次から次へと起業していったのです。つまり、今で言うところの「シリアル・アントレプレナー」(連続起業家)です。
それと共に、彼は会社のあるべき姿として「合本主義」(がっぽんしゅぎ)を提唱しました。つまり、一人の出資者が会社の持ち主として支配するのではなく、多くが出資者として企業の設立に参加して、事業から生じる利益を分け合うという考え方です。また、民間企業である以上、利潤の追求は当然ですが、私益のみを追求するのではなく、社会の発展を実現するために必要な人材と資本を合わせて、事業を推進するという考え方です。
人々の幸福や富に永続性をもたせるために必要なこと実際、渋沢栄一が500近い会社を立ち上げたのは、自分自身が儲けるためではなく、当時はまだまだ小国で、下手をすれば欧米列強国に植民地化されかねなかった日本の国力を高める必要があったからです。そして、その力の根源とは民間力と考えたのです。ただ、民間は散らばった個々の状態では微力なので、合わせて新しい価値を創造への原動力にする必要があると考えたのです。
経済的リターンを求めることは当たり前のこと。ただ、同時に社会的価値も求めるべきだ。その考え方は、今でいう「社会的インパクト投資」に通じるものがあります。
では、合本主義の先にあるものは何なのでしょうか。その目指すところとは、人々の幸福や富に永続性を持たせることです。目先の富を得るために手段は問わないというのではなく、富に正しい道理を持たせることによって初めて、人々の幸福や富の永続性が担保されるというわけです。
最近、ある有名企業経営者が「自らや家族などの富を極大化するために会社を私物化しているではないか」という疑惑から社会問題になりましたが、これなどは合本主義の考え方とは真逆の例といっても良いでしょう。
あらゆる手段を使い、巨万の富を得ることには成功しても、結果的に彼自身やその家族、会社の社員が本当に幸せになれたかと問われたら、決して「イエス」とは答えられないはずです。彼が今まで得てきた富は、もしかすると合法という裁決になるかもしれない。
しかし、正しい道理を持った富ではなかったため、幸福にしても富にしても、永続しなかった。これは、渋沢栄一が100年ぐらい前に警鐘を鳴らしていたことです。民間企業にとって利益追求は当然ですが、道徳が必要になるのは持続可能性のためです。つまり、渋沢栄一の「論語と算盤」、道徳経済合一説とは、今の言葉で表せば、サステナビリティであると私は考えています。
お金を使う時、新1万円紙幣をまじまじと見て、渋沢栄一と資本主義の在り方に思いを馳せるなどという人は、少なくとも日本人にはほとんどいないと思います。でも、日本に興味があって来日した外国人観光客の中には、多少の現金も必要かも知れないと考えて両替し、渋沢栄一の肖像が載った1万円紙幣を手にした時、「この肖像画は誰だい?」と質問してくるかも知れません。
新紙幣が流通する2024年の翌年は、大阪で55年ぶりに大阪万博が開催される予定です。東京オリンピックの5年後、政策の後押しもあり、日本を訪れる外国人観光客の数は、今以上に膨らんでいるでしょう。その時は胸を張って、「この人は日本の資本主義の父と言われ、今から100年以上も前に社会的インパクト投資やサステナビリティを掲げたシリアル・アントレプレナーの原型を実践してみせたんだ」と答えて差し上げて下さい。
このように考えると、新しい時代が始まるタイミングで渋沢栄一が新1万円札の「顔」になる「意味」があると感じませんか。
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我が家のブラックベリー