可燃ごみにエタノール化とプラスチックを燃料に変える技術。シリーズ①

 

ブレストの油化装置で、ゴミ山を油田に変える「世界中に配置するべきだ」【海外の反応】 出番日本の 2017/03/02

★残念ながら 下記の通り、破産されてしまった。これからだというのに。技術は

★どこかが引き受けたのか もったいない。★ 電話は通じなかった。

 

神奈川・平塚の油化装置製造「ブレスト」に破産開始決定

 

神奈川・平塚の油化装置製造「ブレスト」に破産開始決定官報によると、神奈川県平塚市に本拠を置くプラスチック油化装置製造の「株式会社ブレスト」は、4月21日付で横浜地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産したことが明らかになりました。

同社のホームページによると、2001年に設立の同社は、廃プラスチックを油に戻すために用いられる油化装置の設計・開発・製造を主力に事業を展開し、国内のみならず海外にも輸出販売するなど事業を拡大していました。資本金は3億1900万円です。

事件番号は平成29年(フ)第492号で、破産債権の届出期間は5月22日まで、財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日は7月20日までです。

 

______________________________________________________

 

可燃性なら分別不要、微生物でゴミを「油田」に

積水化学工業がバイオリファイナリー技術確立

2018年4月9日(月)

エタノールを微生物で生産する「バイオリファイナリー」技術を積水化学工業が確立した。原料となるゴミを一切分別せずにエタノールに変換でき、「都市」のゴミは「油田」に変わる。2019年度から実用プラントの稼働を計画しており、原油に依存しない未来に一歩近づいた。

(日経ビジネス2018年1月15日号より転載)

捨てればゴミ、生かせば資源──。

日本人の多くが知っているこの標語には2つの意味がある。まずは戒め。資源に乏しい日本では原材料を輸入に頼っている。だからこそ、モノを大事に使わなければならないという意味だ。

もう一つはゴミを資源として使うのは極めて難しいという現実を示している。昭和の時代から唱え続けられてきた標語が、平成の30年になっても”現役”であり続けるのは、何十年という歳月を費やしてもそれが実現できていないからだ。

(写真=Vasko/Getty Images)

この常識が近い将来、覆るかもしれない。ゴミを”まるごと”エタノールに変換する技術を積水化学工業が確立したのだ。家庭などから回収したゴミを競争力のあるコストでエタノールに転換できたのは世界で初めて。同社の上ノ山智史取締役専務執行役員は2017年12月の発表会で「次代に残すべき技術を開発できた」と胸を張った。

確立したのは微生物を使ってゴミからエタノールを生産する「バイオリファイナリー」と呼ぶ手法だ。これまで、焼却や埋め立てで処分していたゴミ。これを微生物に”食べさせる”ことで化学品の原料にできれば、海外から原油を輸入しなくても日本国内で新しいサプライチェーンを構築できる。ゴミを吐き出す都市が「油田」として生まれ変わる可能性が見えてきたのだ。

お酒の成分として有名なエタノール。実は、全化学品の6割を占める「エチレン」と似た構造を持っているため、エタノールは工業原料として広く活用できる。水道用配管や住宅資材などでプラスチックを多く利用する積水化学にとっても、身近な原料だ。

開発に乗り出したのはちょうど10年前の08年1月。ニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油先物相場が史上初めて1バレル 100ドルの大台を突破したことがきっかけだ。

エタノールは一般的に、原油を精製したナフサを原料とし、「オイルリファイナリー」というプロセスで製造する。調達コストが高騰すれば、プラスチック製造を祖業とする積水化学のビジネスが根底から揺さぶられる。上ノ山氏は「社運を賭けた研究開発プロジェクトだった」と振り返る。

注目したのはゴミだ。日本国内で排出される可燃ゴミは年間6000万トンで、カロリー換算で約200兆キロカロリーに達する。日本でプラスチック生産に使われる化石資源(約150兆キロカロリー)を補って余りある量だ。しかもゴミは、人間が生活している限り、毎日安定して生み出される。

微生物がゴミを食べてエタノールを作る

●積水化学工業が開発したプロセスの特徴

  • ゴミをまるごとエタノールに変換
    • 可燃性ゴミなら分別することなく、高い変換効率でエタノールを安定製造する技術を確立した。米ランザテックの微生物を活用
  • エタノールの世界市場は年11兆円
    • 食品や工業用原料として使われるエタノールは国内だけでも年75万キロリットルの需要があり、世界の市場規模は11兆円
  • 二酸化炭素の排出を大幅削減
    • ゴミ焼却時とエタノール製造時に発生する二酸化炭素を大幅に削減できる。化石資源の依存度を減らせる

ゴミを蒸し焼きして「ガス化」

問題は極めて不均質であること。家庭から出される一般廃棄物には生ゴミ、紙類、ビニールなど雑多なものが入り交じっている。しかも季節や場所によってゴミの成分や組成は大きく変動する。このため資源として十分に活用できずにいた。結局、自治体がゴミを回収しても、埋め立てるか焼却処分するしかなかった。

無論、ゴミを有効活用しようとする試みはこれまで様々あった。例えば、日立造船は11年度から熊本大学などと共同で、家庭ゴミの中から生ゴミと紙ゴミを選別し発酵処理によってエタノールを生産する実証実験に取り組んでいる。しかし、ゴミの選別コストが高いため、実用化できていない。

他にも農業廃棄物からエタノールを生産する研究開発は海外でも行われているが、こちらも実用化にはほど遠い。種々雑多なゴミの中から工業原料として使えるゴミだけを分別して収集すると、割が合わなくなるからだ。

積水化学はゴミを分別する手間を省くため「ガス化」に着目した。ゴミを低酸素状態で蒸し焼きして、分子レベルにまで分解していく。これにより家庭用の一般廃棄物や産業廃棄物も含め、可燃性ゴミなら大半を「一酸化炭素」と「水素」に変換できるようになった。

ガス化プロセスは既に国内で普及しており、焼却効率を高めるため全国のゴミ処理施設の1割に採用されている。

一酸化炭素(CO)と水素(H2)が作れれば、あと一歩。高温・高圧の環境で金属触媒と反応させれば、エタノール(C2H5OH)を製造できる。ただしここで新たな問題が生じる。多大なエネルギーを投入しなければならないので、経済的に見合わない。

そこで積水化学は発想を転換。微生物の”エサ”として一酸化炭素と水素を用い、その代謝物としてエタノールを得ることにした。酵母でコメを発酵させて日本酒を造る仕組みと同様だ。

苦労したのは最適な菌株を探し出すこと。世界中の大学や研究機関からエタノールを生成する微生物を独自に取り寄せ、評価を繰り返した。

10倍速くエタノールを生産

最終的に米バイオベンチャーのランザテックが保有する微生物を選んだ。自然界から単離された微生物で、パン酵母などと同様に安全性が高い。一般的なエタノール生産菌と比べて10倍以上も速く、効率的にエタノールを生産できることが決め手となった。

積水化学には、遺伝子組み換え技術で微生物を改変する選択肢もあった。生産効率が0.1%上がるだけでも工業レベルでは意味があるからだ。だが、遺伝子を組み換えた微生物が万が一、プラント外に漏れ出した際のリスクも考慮した。「プラント周辺の住民感情にも配慮して、開発段階から最終ゴールを意識してきた」と上ノ山氏は語る。

ただし、微生物ならではの問題がある。多様なゴミをまるごとガス化して分別コストを圧縮するのが積水化学の強みだが、それと引き換えに、ガスには多くの夾雑物が残ってしまう。微生物のエサに夾雑物が混じっていると、エタノールの生産効率が落ち、最悪のケースでは微生物が死滅してしまう。

[画像のクリックで拡大表示]

そこでフィルターや触媒などを使って夾雑物を除去するプロセスを構築した。積水化学は詳細を明らかにしていないが、5~6段階のプロセスを経て400種の夾雑物をほぼ取り除くことに成功した。最適な条件を探し出すのに60回以上も試行錯誤を繰り返した。

ゴミの組成は毎日変わる。ガス化して生成する一酸化炭素と水素の割合や、夾雑物の種類や量も変動する。そこで微生物の状態を外部からリアルタイムに監視して、最適な状態を保つ制御技術も確立した。微生物が弱ってくると“栄養剤”を投入して、再び活性化することもできるようになった。

純度の高いエサと栄養剤を供給することで、微生物の反応速度を高レベルで維持できる。独自のガス精製・管理技術により連続生産が可能になったことが、大きなブレークスルーになった。関連する特許も既に取得している。

________________________________________________

プラスチック油化装置 国内海外導入事例  cfpeco

2015/05/25 に公開 廃プラスチック油化装置の導入事例をご紹介します。南アフリカ、マレーシア、日本に導入が決定。廃棄物の削減と資源の有効活用を実現。 株式会社CFP www.cfpeco.com