起業の近道ノウハウ集 170130(Mon)

福島 賢造様

福島 賢造 様の起業支援事例をご紹介

商社時代と変わらぬ仕事を行える体制を一人で作れた

福島 賢造 様

KFトレーディングカンパニー合同会社
代表社員

福島 賢造 様

起業時の年齢:
64歳

業種:
化学品の貿易業務

独立を考え出してからいくつかの施設を比較し、設備の充実と一気通貫の起業支援が決め手となって銀座セカンドライフを選択。商社時代とほぼ変わらぬ仕事を行えている。

ご利用いただいた銀座セカンドライフの起業支援サービス

事業計画支援 販路開拓
レンタルオフィス 個別相談
法人設立 交流会
融資支援 起業セミナー
補助金支援 事務サポート

福島 賢造 様へのインタビュー

福島さんが、銀座セカンドライフの起業サポートを受けるきっかけを教えてください。

大学を卒業し、三井物産に入社してから、ずっと商社マンとして仕事を行ってきました。63歳で定年を迎えることになるのですが、その時まで、そんなに真剣に定年後の起業について考えたことはなかったのです。しかし定年後、商社時代のご縁から、一年だけある会社のお手伝いをしました。そこで自分でやってみようか、という気持ちが生まれたのです。

2013年頃、拠点にできるようなスペースをいくつか見て回りました。そうしたところ、会社の後輩がこの銀座セカンドライフのことを教えてくれたのです。実際に見てみると一番設備がよいなあ、と感じました。また、会社設立の手続きやいろいろなサポートも、一気通貫で行ってくれることに魅力を感じて決めたのです。会社形態について、基本的に一人で事業展開していくなら合同会社の方が低コストで手間少なく運営できる、と言うアドバイスも受け、会社設立をお手伝いしてもらいました。

今やっていらっしゃることは商社時代と変わらぬお仕事でしょうか?

そうです。起業するにあたって、自分がまったく知らない分野のことはリスクが多いと感じ、よくわかっている貿易分野の仕事しか考えられませんでしたね。人的ネットワークをそのまま生かせますし、実際に、今仕事をしている相手は商社時代に育んだネットワークによるものです。

もちろん、大きな商社とまともに張り合えるわけはありません。しかし、大きな商社が手を出さないような規模の取引というものがたくさんあるのです。いわばニッチな分野での貿易で自分はやっていけると考えました。

貿易のお仕事と言うと、いろいろな設備や人員などが必要なのではないかと思っていました。

昔は、各商社は「専用線」を引いて、国際電話やテレックスなどでやり取りをしていました。それだけでも大きな固定費がかかっていたでしょう。しかし、今はインターネットがあります。国際電話も簡単に安く使えるようになりました。こうして一人でも十分にやっていけるのです。ですから、大きな事務所を借りて、事務スタッフを雇う必要はありませんから、固定費をあまりかけないでやっていくことができます。

自分も、定年後の起業ですから、規模を大きくして、さらにリスクの高い貿易の仕事をという考えはありません。貿易は、自分の予想もしないできごとで大きな損失をかぶることがあるものです。自分の負える責任範囲内で、成長より、継続を目指して続けていきたいと思います。

銀座セカンドライフのサポートをどのように活用されていますか?

起業時のサポートはもちろんですが、設立してからは、会計記帳代行なども活用させてもらっています。やはり不慣れなことで時間や手数をとられるより、おまかせした方が本業に集中でき、効率的ですね。そのためだけに事務要員を雇うなどは、ちょっと考えられません。

あと、レンタルオフィスには毎日出社しています。やはり、自宅では仕事ははかどらないものです。ここの銀座に拠点を置いていますが、プリンターなどの設備はもちろん、ロケーションが便利ですね。

これで丸三年がたちました。起業してみて一番いいことは「自分で決断できる」ことです。商社時代の上司のプレッシャーはとても大きかったですね(笑)。今は自分で決断し、取引で失敗しても自分がかぶればいいのですから。もちろん、自分でかぶっても大丈夫ぐらいの取引額で抑えるようにしています。取引品目も、あまり一種類に偏らず、多品目に分散させてリスクを減らすように心がけています。銀座セカンドライフのサポートを受けながら、継続を第一に、四年目へ、そしてその先に向かっていきたいと思います。

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シニア起業で年金支給70歳時代を生き抜く _ 企業戦略 _ 東洋経済オンライン _ 経済ニュースの新基

シニア起業で年金支給70歳時代を生き抜く

定年後に会社を興した2人のシニアの事例

会社は2年目に一度赤字になったものの、3年目以降は黒字が続く。仕事がないときは給与を支払わなくていい契約のため、固定費が軽いことが秘訣だ。「IT業界では、ベテランのエンジニアには仕事がなかなかない。給料は安くても、この人たちを生かせる場を作ることが大事」と、加瀬さんは語る。

シニア起業成功の2つの秘訣

シニア専門の起業支援サービスを提供する「銀座セカンドライフ」の片桐実央代表取締役は、「シニアの起業は初期投資が不要で、固定費も軽くて済む、ローリスクの仕事を選ぶことが原則」と語る。

リスクを抑えることと並んで、シニア起業成功のもう1つのコツは、前職時代の人脈や経験を最大限に活用することだ。

化学品の商社を営む「KFトレーディングカンパニー」の福島賢造さん(65)は三井物産の出身。昨年3月に会社を設立し、フッ化物や塩素酸ソーダなどの無機化合物を中国や日本で仕入れ、アジアや中東などへ販売している。福島さんは三井物産時代から化学品部門に在籍し、現在取り扱う商品を担当していた。規模が小さく利幅の薄い商品の扱いを三井物産が減らしたのを受け、退職時に自ら申し出て、それらの取引を顧客ごと譲り受けた。

「個人でゼロから始めようとしても、信用がないので相手にしてもらえない。前職時代の仕入れ先と顧客を引き継げたことは非常に大きい。以前から知っている人脈なので、『販売先がカネを支払わない』『仕入れた商品がとんでもない粗悪品だった』というトラブルもない」(福島さん)

リスクも可能なかぎり低減している。取引規模は1回当たり20トン程度のものが中心。1トン当たり1000ドルとすると、1回の取引金額は2万ドル程度に収まる。1回約1万トンの大規模取引になる肥料などと異なり、リスクは個人でも請け負える範囲だ。

会社は2年目に一度赤字になったものの、3年目以降は黒字が続く。仕事がないときは給与を支払わなくていい契約のため、固定費が軽いことが秘訣だ。「IT業界では、ベテランのエンジニアには仕事がなかなかない。給料は安くても、この人たちを生かせる場を作ることが大事」と、加瀬さんは語る。

シニア起業成功の2つの秘訣

シニア専門の起業支援サービスを提供する「銀座セカンドライフ」の片桐実央代表取締役は、「シニアの起業は初期投資が不要で、固定費も軽くて済む、ローリスクの仕事を選ぶことが原則」と語る。

リスクを抑えることと並んで、シニア起業成功のもう1つのコツは、前職時代の人脈や経験を最大限に活用することだ。

化学品の商社を営む「KFトレーディングカンパニー」の福島賢造さん(65)は三井物産の出身。昨年3月に会社を設立し、フッ化物や塩素酸ソーダなどの無機化合物を中国や日本で仕入れ、アジアや中東などへ販売している。福島さんは三井物産時代から化学品部門に在籍し、現在取り扱う商品を担当していた。規模が小さく利幅の薄い商品の扱いを三井物産が減らしたのを受け、退職時に自ら申し出て、それらの取引を顧客ごと譲り受けた。

「個人でゼロから始めようとしても、信用がないので相手にしてもらえない。前職時代の仕入れ先と顧客を引き継げたことは非常に大きい。以前から知っている人脈なので、『販売先がカネを支払わない』『仕入れた商品がとんでもない粗悪品だった』というトラブルもない」(福島さん)

リスクも可能なかぎり低減している。取引規模は1回当たり20トン程度のものが中心。1トン当たり1000ドルとすると、1回の取引金額は2万ドル程度に収まる。1回約1万トンの大規模取引になる肥料などと異なり、リスクは個人でも請け負える範囲だ。

商社でありながら、在庫も持たない。顧客から注文が来てからメーカーと交渉し、右から左へ流すだけ。契約上はメーカーと顧客の直接取引という形態を取り、KFトレーディングカンパニーは仲介料として売り上げの数%程度の口銭を取る。「だから、利益は少ない。資金を借りて、相場が安いときに調達して在庫を持つ形態でやれば、利益は大きくなるかもしれないが、リスクも高くなる」(福島さん)。

定年退職後の第3の選択肢

銀座セカンドライフが開催するシニア起業家向けの交流会(撮影:梅谷秀司)

起業というと、ハイリスク・ハイリターンのイメージを描いて敬遠しがちだが、シニアが実践している会社運営はまったく別の形。

多くのシニアの起業目的は株式公開などではなく、定年に関係なく長く働き、世の中に貢献しているという“やりがい”を感じること。したがって、起業手法は若い世代のそれとは異なってくる。

前出の片桐氏によれば、「十分に準備して起業すれば、初年度から前職時代の給料と同程度の売上高を稼げることが多い」という。そこから諸経費が引かれるが、事業が軌道に乗り、売上高が伸びれば、前職時代以上の収入を得ることも不可能ではない。

国の財政は悪化の一途をたどっており、将来的に年金支給は70歳程度まで引き上げられることがほぼ確実。それに伴って到来する、「70歳まで働く」時代をどう生きるか。今の会社での再雇用や別の会社への再就職とともに、「シニア起業」を第3の選択肢として考えることが、今後当たり前になってくるかもしれない。

「週刊東洋経済」2014年2月15日号(2月10日発売)では「70歳まで働く 45歳から考える『次の仕事』」と題した特集を掲載しています。