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3畳ほどの店内に1400種類をそろえる。フランスからの輸入品や、独自に調合した国産品も。50cc入りが1本1千シリアポンド(約300円)で、毎日500本ほど売れる。8本買った主婦イマンさんは「シャワーを浴びられないまま人に会う日もある。香水は必需品。気分が少し、明るくなる」。

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香水と石鹸  シリアはいま。

このところ、シリア難民についての報道は減っている。

といっても、難民が減っているわけではないし、この問題が解決の方向に向かっているわけでもない。実態が変わらないのでニュース性も薄れているのだろう。  シリア国内や近隣のトルコなどにとどまる難民もあいかわらず苦しい生活を強いられている。

首都ダマスカスは戦闘地域ではないが、内戦による影響は出ている。新聞報道によると、断水や停電が続いているとのことだ。電気の供給は一日8時間、水道も3時間程度となっている。

その影響か、香水がよく売れているのだそうだ。満足にシャワーを浴びることができない。人と会う際は体臭が気になる。それを香水でカバーしようというわけだ。

ダマスカスは、花の香りではなく、香水の香りがただよっているということか。

シリアは国としての体をなしていないが、こんな状況下でも輸出しているものもある。アレッポの石鹸。オリーブオイルでつくった石鹸である。日本でもドラックストアには必ずといっていいほど置いてある。定番商品である。アナタもお使いになっているかもしれない。いま、自宅にお持ちなら、生産国を確認いただきたい。シリアと書いてあるはずだ。

 

形状は豆腐のよう。固形の洗濯石鹸を連想していただければよい。無骨であるが、これを使うと肌はスベスベになるという。

それにしても皮肉なものである。石鹸輸出国がシャワーも満足にできないとは・・・。