年齢と人生。 171215(Fri)

年齢の表現[編集]

年齢の表現には満年齢数え年がある。

  • 満年齢(暦年齢)
    満年齢とは、誕生日を起点に、生まれてからの年月を1年、2年と数え、誕生日(誕生日前日の満了)とともに年をとる表現方法[1]。満年齢の表現方法では端数は何日と付け足して呼ぶ[1]
    日本の法律では正確には誕生日ではなく誕生日前日の満了をもって年をとるとされている[1](学齢の計算などに影響がある)。詳細は年齢計算ニ関スル法律を参照。
  • 数え年
    数え年とは、生まれた年を「1歳」とし、元日を迎えるごとに年をとる表現方法[1]
    数え年の場合、12月生まれであれば、生まれた年が1歳となり、年が変わって1月になれば2歳となる[1]

欧米では満年齢による表現が一般的である[1]

古来、日本では広く数え年での年齢計算が行われていた。しかし、日本の現代の法制度では、年齢は、「年齢計算ニ関スル法律」(1902年施行)により誕生日から起算し、「年齢のとなえ方に関する法律」(1950年施行)により満年齢でとなえることになっている。満年齢による表現が定着したのは太平洋戦争が終わってからである[1]宗教伝統行事葬儀享年)、占いなどの分野では数え年が用いられることがある)。このような理由で、過去の文献での年齢表記には注意を要する。

これらとは別に以下のような年齢表現が用いられることもある。

  • 満年齢のうち年未満の端数処理切り捨てが一般的だが、生命保険の分野では、これを四捨五入した保険年齢と呼ばれる年齢で保険料を算出する会社又は商品もある[2]
  • 人事労務の分野では、新規学卒者に対し、学歴に応じて一定の年齢とみなす学卒年齢という考え方がある[3]
  • 健康診査人間ドックの分野では、年度年齢あるいは検診(健診)年齢と呼ばれる、当該会計年度の末日(3月31日)現在の満年齢が用いられる。[4]
  • 日本の法令の場合、ほとんどは満年齢を基準にしているが、法律上の資格の有効期間・更新期間の中には、資格者の誕生日を基準とするものもある[5]

なお、以下特に必要があるときは満年齢と数え年を区別する。

年齢の表記[編集]

年齢を数える単位(さい)である。「歳」は小学校で教える教育漢字ではないため、小学校では代わりに(さい)が用いられる。同様に「年」に代えて「年」が用いられる。「歳」という文字の意味は「」とほぼ同じ「とし」で、年数を数える単位に「年」、年齢を数える単位に「歳」が専用される以外はしばしば混用される(例:年末=歳末)。

年齢制限[編集]

日本においては、2001年より雇用対策法第7条において「労働者の募集・採用に当たって年齢にかかわりなく均等に機会を与えるよう努めなければならない」と努力義務が設けられている。

制限のあるものの例[編集]

年齢の一覧[編集]

0歳[編集]

  • 満年齢方式の場合、出生時から翌年に誕生日を迎えるまでの年齢が0歳である。

日本の旗

  • 男女とも権利や義務の主体となることができる(民法3条の定めにより、出生時よりできる)。

1歳[編集]

  • 日本や韓国などでかつて使われていた数え年方式では、出生時から最初の元日を迎えるまでの年齢が1歳である。

3歳[編集]

日本の旗日本

5歳[編集]

  • 日本で保育所・幼稚園の最低卒園年齢。

6歳[編集]

日本の旗日本

  • 義務教育開始(憲法第26条第2項、学校教育法第22条)となり小学校に入学する。特別養子縁組の成立ができなくなる。
  • 鉄道バス・船舶では6歳で小学校に入学していれば同伴者の有無にかかわらず運賃が必要となるものが多い(6歳未満であれば、6歳以上の同伴者がいる場合は無料)。
  • LCC以外の航空機は6歳から大人(12歳以上)の同伴者なしで搭乗できるものが多い(ただし、12歳未満はサポートサービスの利用が必要な場合がある)。

9歳[編集]

10歳[編集]

アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国

  • 10歳以上の犯罪者は刑事責任を問えるようになり、顔写真と名前を放送できる。

11歳[編集]

ニュージーランドの旗ニュージーランド

  • 小学校の最低卒業年齢。

12歳[編集]

日本の旗日本

  • 小学校の最低卒業年齢。
  • 中学校入学が可能になる。
  • 公共交通機関は12歳から大人運賃・料金を適用するものが多い(ただし鉄道・バス・船舶の場合は12歳であっても小学生には子供運賃・料金が適用されるものが多い)。
  • LCCは12歳から大人の同伴者なしで搭乗できるものが多い。
  • 少年法における少年院送致下限年齢(正式にはおおむね12歳)。
  • サッカー4級審判員の資格を取得できる年齢。

13歳[編集]

  • 13歳から19歳までをティーンエイジャーと呼ぶ。英語で13(thirteen)から19(nineteen)までの数を表す数詞は語尾に-teenが付き、その数の年齢の者という意味である。

日本の旗日本

14歳[編集]

日本の旗日本

  • 刑事責任を問うことができるようになる(刑法41条)。
  • 小児科受診の基本的上限(受診を制限するものではない)。

マダガスカルの旗マダガスカル

  • 女性の結婚が可能になる。

15歳[編集]

日本の旗日本

  • 義務教育期間が終了。
  • 遺言ができるようになる(民法961条)。
  • 映画のレイティングシステムによってR-15指定(15歳未満の鑑賞禁止)された映画が視聴できる。
  • 古代から中世における元服の年齢。
  • 労働基準法における労働をすることが出来るようになる(例外的に15歳未満でも労働できる場合もある。22:00-5:00の深夜業は18歳まで不可)。
  • 印鑑登録が可能になる。また、印鑑登録が可能になることにより、会社取締役等に就任する事が可能になる(例外的に15歳未満でも印鑑登録証明書の提出が必要なく、取締役に就任が可能な場合もある)。

16歳[編集]

日本の旗日本

17歳[編集]

日本の旗日本

マダガスカルの旗マダガスカル

  • 男性の結婚が可能になる。

18歳[編集]

日本の旗日本

19歳[編集]

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20歳[編集]

日本の旗日本

21歳[編集]

日本の旗日本

アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国

  • 飲酒が可能になる。

22歳[編集]

日本の旗日本

  • 大学院修士課程(博士前期課程)への入学が可能な最低年齢(飛び入学は除く)。

25歳[編集]

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27歳[編集]

日本の旗日本

  • 博士の学位が取得できる最低年齢(医学・歯学・薬学・獣医学、飛び入学は除く)。

29歳[編集]

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  • 日本の女性の平均初婚年齢(29.2歳・2012年現在)。

30歳[編集]

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  • 参議院議員都道府県知事被選挙権が与えられる(公職選挙法第10条)。
  • 日本の男性の平均初婚年齢(30.8歳・2012年現在)。
  • 日本の女性の平均第一子出産年齢(30.3歳・2012年現在)。

31歳[編集]

日本の旗日本

35歳[編集]

日本の旗日本

アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国

40歳[編集]

日本の旗日本

42歳[編集]

44歳[編集]

日本の旗日本

45歳[編集]

46歳[編集]

  • 剣道の最高位である八段が取得できる年齢(七段受有後10年以上が受審条件)。

50歳[編集]

日本の旗日本

52歳[編集]

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54歳[編集]

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  • 献血における、血小板の上限年齢(女性)。

55歳[編集]

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59歳[編集]

60歳[編集]

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  • 日本の企業のほとんどで定年退職。
  • 年金の繰り上げ支給の下限の歳。(老齢基礎年金

65歳[編集]

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  • 日本で60歳が定年退職の年齢と定められていない企業の場合のほとんどが65歳で定年となる。
  • 年金受給年齢。
  • 高齢者
  • 日本相撲協会における、年寄行司呼出若者頭世話人床山の定年退職年齢。
  • 介護保険第1号被保険者となる。
  • 現在の定年退職の年齢

69歳[編集]

  • 世界193カ国の平均寿命。男性68歳、女性72歳(2011年世界開発銀行)。

日本の旗日本

  • 献血における、200 mL、400 mL、血漿の上限年齢(70歳の誕生日の前日まで可)。

70歳[編集]

日本の旗日本

75歳[編集]

日本の旗日本

77歳[編集]

日本の旗日本

78歳[編集]

日本の旗日本

79歳[編集]

日本の旗日本

  • 日本の男性の平均寿命(79.94歳・2012年現在)

80歳[編集]

サンマリノの旗サンマリノ

  • サンマリノの男性の平均寿命(世界第1位)。

82歳[編集]

日本の旗日本

  • 日本全体の平均寿命。82.5歳で、サンマリノ全体の83.3歳を下回っている。

86歳[編集]

日本の旗

  • 日本の女性の平均寿命(86.41歳。世界第1位・2012年現在)

94歳[編集]

日本の旗日本

  • 日本における国会議員の最高齢記録(尾崎行雄、1953年衆議院議員選挙で落選)

100歳[編集]

アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国

116歳[編集]

122歳[編集]

年齢とその呼称[編集]

年齢(数え年) 名称 読み方 性別 出典・由来
10歳 幼学 ようがく 共通 礼記』曲礼上編より
辻髪 つじかみ 子供の髪型から
15歳 志学 しがく 男性 「吾十有五にして学に志す」(『論語』為政編)
笄年 けいねん 女性 『礼記』内則編より。初めて笄(かんざし)をさす歳であることから。
20歳とする説もある。
16歳 破瓜 はか 女性 「瓜」(八と八)を加えて十六
20歳 二十路 ふたそじ 共通
二十歳
二十
はたち 共通
弱冠 じゃっかん 男性 「二十を弱と云ひ冠す」(『礼記』曲礼上編)
30歳 三十路 みそじ 共通
而立
立年
じりつ
りゅうねん
男性 「三十にして立つ」(『論語』為政編)
壮室
年壮
そうしつ
ねんそう
男性 「三十を壮と云ひ室あり」(『礼記』曲礼上編)
40歳 四十路 よそじ 共通
初老 しょろう 共通
不惑 ふわく 男性 「四十にして惑はず」(『論語』為政編)
心に迷いがなくなる。
強仕 きょうし 男性 「四十を強と曰ふ、すなはち仕ふ」(『礼記』曲礼上編)
智、気力が充実している。
48歳 桑年 そうねん 共通 「桑」の古い文字(桒)が4つの「十」と「八」と分解できるため
50歳 五十路 いそじ 共通
五十算 ごじっさん
杖家 じょうか 共通 『礼記』王制篇より
家の中で杖を用いることが許されるとされた
中老 ちゅうろう
天命
知命
てんめい
ちめい
男性 「五十にして天命を知る」(『論語』為政編)
天が自分に与えた使命を自覚する。
艾服 がいふく
艾年 がいねん 共通 髪が艾のように色あせて白くなる年の意味から
60歳 六十路 むそじ 共通
耳順 じじゅん 男性 「六十にして耳順ふ」(『論語』為政編)
相手の言うことから善悪などを素直に判断できるようになる。
杖者 じょうしや 杖を突く人
杖郷 じょうきょう 共通 『礼記』王制篇より
郷土で杖を用いることが許されるとされた
本卦還り ほんけがえり 共通 生まれた年の干支と同じ干支の年がくること
61歳 還暦 かんれき 共通 干支が60年後に出生時の干支に還って(かえって)くるので
華寿
華甲
かじゅ
かこう
共通 「華」が6つの「十」と「一」と分解できるため
64歳 破瓜 はか 男性 八に八を乗ずる
66歳 緑寿 ろくじゅ 「緑」の読み(ろく)から。日本百貨店協会が提案
70歳 七十路 ななそじ 共通
古希 こき 共通 「人生七十、古来稀なり」の詩(杜甫「曲江」)より
従心
踰矩
じゅうしん
ゆく
男性 「七十にして心の欲するところに従ひて矩を踰えず」(『論語』為政編)
思うままに動いても人の道を踏み外さない。
致仕 ちし
杖国 じょうこく 男性 『礼記』王制篇より
国中どこでも杖を用いることが許されるとされた
懸車 けんしゃ
77歳 喜寿 きじゅ 共通 「喜」の草体が七十七のように見えるため
80歳 八十路 やそじ 共通
傘寿 さんじゅ 共通 「傘」の略字(仐)が八十と分解できるため
下寿 かじゅ 共通 中国古伝説より。六十歳は下寿、八十歳は中寿、百歳は上寿という三寿(さんじゅ)の説もある[9]
杖朝 じょうちょう 男性 『礼記』王制篇より
朝廷でも杖を用いることが許されるとされた
81歳 半寿 はんじゅ 共通 「半」の字が八十一と分解できるため[10]
盤寿 ばんじゅ 共通 将棋の盤が 九×九 = 八十一 マスあることから
漆寿 しつじゅ 共通 礼記より
88歳 米寿 べいじゅ 共通 「米」の字が八十八と分解できるため
90歳 九十路 ここのそじ 共通
星寿
聖寿
せいじゅ 共通 囲碁界特有
卒寿 そつじゅ 共通 「卒」の略字(卆)が九十と分解できるため
95歳 珍寿 ちんじゅ 共通
99歳 白寿 はくじゅ 共通 「百」の字から一をとると白になる事から
100歳 百寿
紀寿
ももじゅ
きじゅ
共通 1世紀 = 100年から

期頤

きい
共通 「百年を期と曰い、頤わる」(『礼記』曲礼上編)
中寿 ちゅうじゅ 共通 中国古伝説より
100歳以上毎年 上寿 じょうじゅ 共通
108歳 茶寿 ちゃじゅ 共通 「茶」の字を分解すると「十、十、八十八」と分解できるため
不枠 ふわく 共通 「枠」の字を分解すると「十、八、九十」と分解できるため
111歳 皇寿 こうじゅ 共通 「皇」の字を分解すると「白 (=99)、一、十、一」と分解できるため
川寿 せんじゅ 共通 「川」が111と読めるため
111歳以上
112歳以上
120歳以上
珍寿 ちんじゅ 共通 これほどの長寿は珍しい事から
119歳 頑寿 がんじゅ 共通 「頑」の字を分解すると「二、八、百、一、八」と分解できるため。
現在までに頑寿を迎えたのは世界で2人のみ。
120歳 昔寿 せきじゅ 共通 「昔」の字を分解すると「廿 (=20) + 百」
大還暦 だいかんれき 共通 2回目の還暦を迎えたことになるため。
かつて長寿世界一とされた泉重千代を讃えるために作られた言葉だが、
現在この記録は認められていない。
現在までに大還暦を迎えたのは世界でジャンヌ・カルマンただ一人のみである。
上寿 じょうじゅ 共通 中国古伝説より

脚注

  1. a b c d e f g 飯倉晴武 『日本人の数え方がわかる小事典』 PHP、2012年、36-42頁。
  2. ^ 日系の生命保険会社独特の方法。保険料算出の主要要素である予定死亡率のうち、年齢別データは年単位となっているため、誕生日を中心にその前後6か月をその年齢の予定死亡率として取り扱っていることによる。ただし、誕生日の半年後で年齢が上がることに一般消費者の反発が多いため、近年はこのような計算方法を採用する商品は減っている。
  3. ^ 一般的には、入社年の4月1日現在で、大学卒業者を22歳、短期大学卒業者を20歳、高等学校卒業者を18歳という具合に、「現役入学留年なし」という前提で設定する。したがって、入学前に何年浪人しても、あるいは卒業前に何年留年しても、同期社員は学歴により年齢給は同じとする。また、年齢給に対し、例えば満27歳までは学卒年齢を適用し、満30歳までの間に実年齢に合わせるなどの方法を採る企業・団体もある。
  4. ^ 通常、健康診査や人間ドックの受診回数は年1回のため、誕生日の前後で年度が異なる場合の年齢の混同を避けるために年度年齢が用いられている。(例えば、10月15日生まれの者が前年の10月20日と今年の10月10日に受診した場合、満年齢は同じだが健診上は区別しなければならないため。)
  5. ^ 銃砲刀剣類所持等取締法(第7条の2)、外国人登録法(第11条)及び道路交通法(第92条の2、第101条)の3本
  6. ^ 遊園地における年齢制限の例: 遊園地のりもの一覧 | 日本モンキーパーク(愛知県犬山)
  7. ^ 「ハディース 5 イスラーム伝承集成」牧野信也訳 中央公論新社 37-38ページ
  8. ^ “選挙権年齢「18歳以上」に 改正公選法が成立”47NEWS. (2015年6月17日). オリジナル2015年6月17日時点によるアーカイブ。 2015年6月18日閲覧。
  9. ^ 年齢の名称 — Key:雑学事典年齢の別名
  10. ^ “きりのいい傘寿は、カサが頭打ちしてさえない。だから「もう1つ年を取ってお祝いを」と験を担ぐ人もいるという。”「産経抄」(産經新聞2014年8月3日)。