発展途上/難民居住地向け すぐに役に立つ技術 ① 170124(火)

難民居住地向けの ランタン事業。 ランタンを使って 日常の電気を得る仕組みは 様々な可能性や 希望を難民の人達に 与えている。 非常にNPO的な側面が 強く なかなかビジネス的には 難問山積みだが、 ランプの明かりがあると 子供たちが 夜でも学べる環境が出来るので よろこばれている。 難民キャンプだけでなく たとえば 貧しい人たちが ひっそりと住む部落でも 大変大きな 前向きな成果を上げることで 期待されている。

長年 色々な国の支援活動を繰り広げてきたが とても難しい。 だか 実現すれば 社会や経済の活性化に 大いに役に立つ。 マイクロクレジットとの組み合わせが 多い。

他にも方法が 無いか ? 模索しているところだ。 電気のない世界も 時折経験してきたが 停電だけでも 大きなトラブルや問題を じっさいに経験してきた。いろいろ工夫しよう。

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難民の状況は:

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)発表によると、2014年末の時点で、世界中で5,950万人が、内戦や治安悪化などによって難民や国内避難民などとして故郷を追われ、強制的に移動しなければならない状況に置かれています。日本の人口1億2,730万と比較して考えてみると、日本人口の実に半数近くに当たる人々が世界中で難民の状態にあるということになります。このうち、1,950万人が、母国を離れ他国に逃れている「難民」、約3,820万人が自国にとどまって避難生活を送っている「国内避難民」、そして180万人が「庇護希望者」です。

2014年末、シリア(388万人)がそれまで最も多く難民を出していたアフガニスタンを抜いて最多の難民発生国となりました。アフガニスタン(259万人)、ソマリア(111万人)と続き、次いで、スーダン、南スーダン、コンゴ共和国、ミャンマー、中央アフリカ、イラク、エリトリアの順に難民を多く生んでいます。

外務省の資料によれば

紛争や迫害により居住地を追われ国外に追われた人々は、難民条約上の難民として国際社会の庇護を受けることができます。一方、同様に居住地を追われながらも、国境を越えることなく避難生活を余儀なくされる人々は国内避難民(IDP:Internally Displaced Persons)と呼ばれ、国家主権の壁によって国際機関からの直接の保護・支援が届きにくい状況にあります。とりわけ、シリア、コロンビア、イラク、において多くのIDPが発生しています。UNHCR、UNRWAによれば、現在、世界各地に約6000万人の難民等が存在するといわれています。特に、パレスチナ、シリア、イラク、アフガニスタン等の中東及びコンゴ民、南スーダン、スーダン、ソマリア等のアフリカが難民等の主要発生国、地域となっています。また、2015年夏以降の欧州への難民流入は、国際社会喫緊の課題となっています。

 

世界の難民数の推移

(UNHCR及びUNRWAの保護や支援の対象となっている難民等の数)

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111.ランタン

100 THOUSAND SOLAR LANTERNS PROJECT

インドの農村向けに開発された新「ソーラーLEDライト」の特徴とは

2015.03.13 News

2014年11月から販売がスタートし、次回の寄贈から採用されるインドの「ソーラーLEDライト」。いまだに多くが無電化地域である農村地域のニーズに合わせて開発された新製品です。開発チームの3人に、開発への想いと製品の特徴を聞きました。

 

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ソーラーLEDライト開発メンバー。左より、パナソニック インド事業開発センター 松本 正さん、吉田 明正さん、柿本 敦さん、アンキット・バヌーラさん。

無電化地域で役立つ製品開発への挑戦

ソーラーLEDライト開発のはじまりは、新興国開拓事業の重点地域としてインドに開発センターが開設された2014年1月にまでさかのぼります。日本からの公募で配属された私を含む8名に課せられたミッションは、インド人社員とともに現地のニーズに合った製品を開発し、新しい市場を開拓すること。私たちのチームが取り組んだのが、「無電化」というテーマでした。

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プロジェクトリーダーの柿本 敦さん

インドに赴任してから約3カ月間、特に貧しいと言われるビハール州やウッタラプラディシュ州などの無電化地域を訪ね歩き、そこで暮らす人々の話を聞きました。電気がない生活は様々な面で制約があり、日本から来た私にとっては驚きの連続でした。明かりがないと、女性は明るいうちに家事をやらなければならず昼間働くことができません。子どもも日が落ちると夜勉強ができません。現地に身を置くことで初めて分かることも多く、「貧困や教育の遅れにつながるこうした無電化地域の課題解決に製品を通じて貢献したい」その思いが日増しに強くなりました。

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無電化村での調査の様子

インドは日照時間が長く、太陽の光に恵まれています。調査を続ける中で、太陽光の力を使ったソーラーランタンこそが求められているものだと確信しました。しかし製品開発にあたって一番の課題となったのが、価格と品質の両立です。そこで、農村の人々が手に入れやすい価格を目指し、すでにソーラーランタンの製造で実績のあるインドの企業と提携することでコストを抑えることにしました。

利用者に寄り添って開発されたこだわりの製品

開発にあたっては、ソーラーランタン10万台プロジェクトのメンバーや現地社員の力を借り、提携するインド企業のソーラーランタンを使ってもらいながら明るさなどの仕様についてアンケートをとりました。その結果、「携帯電話の充電機能が欲しい」「価格を安く」「夜、畑を見まわるときやトイレに行くときに使いたい」といった声が多く寄せられました。試作品を村人に実際に使ってもらい、日本の開発チームにも意見を求めながら改良を重ねること半年。そして誕生したのがソーラーLEDライトです。

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提携先企業と協力して製品開発に取り組んだ松本 正さん

製品開発で特にこだわったのは、携帯電話の充電機能と、一晩中点灯できる持続性です。6時間以上使いたいという要望に応えるため、LEDの照度を少し落とし、かわりに反射板を活用することで、実感値としては照度以上の明るさを実現しました。夜用にナイトモードを付け加えたのも工夫した点の一つです。農業で生計を立てる村人にとって天敵の畑を荒らす動物や、雨季に家の中まで入ってくる毒蛇を追い払うための明かりが求められていたためです。

調査の結果、一部分を照らす使い方をする人が多いことが分かりました。そこでスポットライト的に使えるようなデザインとし、吊るす、立てかける、壁にかける、持ち歩くなど、様々なシーンで使える取っ手を取り付けました。また、屋外でもよく使うという声に応え、雨の日も使えるよう防水性を高めています。

こうした努力と工夫の結果、1499ルピー(約2860円)という価格を実現することができ、実際に購入した人からは「価格に比べて品質がとても良い」と好評です。

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改良を重ねてできたソーラーLEDライト。様々なシーンで使いやすいよう工夫されています。

ソーシャルエンタープライズ(社会的企業)との連携

ソーラーLEDライトは、パナソニックが初めて農村地域に向けて開発した製品です。そのため、通常の製品の販売ルートでは農村の人々に届けることができません。また、農村ではこうした製品を初めて目にするという人が多く、製品に対する知識がありません。仮に見たことがあっても、現金収入の少ない人々にとっては気軽に買えないものでした。

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ソーシャルエンタープライズと連携し、販路開拓に取り組む吉田 明正さん

そこで、販売に当たっては、農村地域の事情を熟知していて、事業を通じて社会課題の解決に取り組むソーシャルエンタープライズと連携しています。彼らの持つネットワークを通じて製品を届けるだけでなく、人々にとって本当に必要な製品かどうかをまずは知ってもらうため、スタッフが昼間だけでなく夜にも訪問して使い方や効能を説明し、「こんなに明るい!」「燃料費もこれだけ安くなる」と実感してもらえるようにしています。また、お金を持っていない人には分割払いでの支払いができるマクロファイナンスの手法を導入するなど、より多くの方に届く工夫をしています。

貧困や格差など多くの社会課題を抱えるインドの農村地域での販路開拓は、まだまだ試行錯誤の連続ですが、将来的には、同じような問題を抱えるアフリカでの販売やソーラーLEDライトと組み合わせて利用できるその他の製品の開発などにも力を入れていく予定です。

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ソーシャルエンタープライズのスタッフが村人向けに開催している製品説明会の様子。

無電化地域の人々に真に役立つ製品として

「一人でも多くの無電化地域の人にこの製品を届けたい」―ソーラーLEDライトには、現地の人々の生活改善に真に役立つものになってほしいという開発メンバーの強い想いが込められています。ソーシャルエンタープライズとの連携によって、これまで届けられなかった農村地域の人たちへ製品を届けられるようになりましたが、それでも日々暮らしていくのに精一杯で、製品を手にすることができない人たちもまだまだたくさんいます。そうした支援を必要とする人たちには、引き続きソーラーランタン10万台プロジェクトの寄贈による支援を続け、パナソニックの技術が一人でも多くの人々の生活向上と笑顔につながるよう、これからも現地の視点に立った取り組みを行っていきます。