~ 観光 ~
日本の東大寺と時を同じくして7世紀に作られ、世界遺産に登録されているPaharpurの修道院、世界最大のマングローブ林である「シュンドル・ボン」とそこに生息するロイヤルベンガルタイガー、世界最長のビーチである「コックス・バザール」など、とても魅力的な観光地を紹介いただきました。その2:バングラデシュと日本の文化的・政治的なつながりとは
~ 国旗 ~
日本とバングラデシュの国旗はよく似ています。Majumder公使から、バングラデシュの国旗の意味するところを紹介いただきました。すなわち、背景の緑はバングラデシュの豊かな大地と盛んな農業を、真ん中の赤は日本国旗と同じ太陽であるだけでなく、独立時に失われた血を表しているとのことです。
~ 文化的・経済的側面 ~
日本とバングラデシュの文化交流は、仏教を通じて7世紀から始まったそうです。また、20世紀初頭に日本人と結婚したMs.Hariprabhaというバングラデシュの女性と彼女が書いた日本の生活などに関する本、アジアで最初のノーベル文学賞詩人であるタゴールと日本人詩人野口米次郎との交流、そしてSatyajit Roy監督と黒澤明監督の交流について紹介しつつ、お互いの国の有名な人間同士が交流すると、その他の人間もお互いの国についてよく知るようになるという点についても指摘くださいました。
この点について参加者から、「タゴールをはじめ紹介されたような方々はインド人であると誤解されている部分もあるが、どう思うか?」という質問がありました。Majumder公使は、「たしかにバングラデシュはまだまだ認知されていない部分があり、ぜひ皆さんにバングラデシュの認知度を上げていく協力をしてほしい」という回答をしてくださいました。
日本のドラマ「おしん」については、日本が貧しい時代から国民が努力を惜しまずに発展していく様が非常に魅力的だということで、バングラデシュでも大変な人気を博しているとのことです!最近ではドラえもんも人気だそうです。
経済面では、近年多くの日本企業がバングラデシュに進出していること、バングラデシュの車の多くがトヨタ製、バイクはホンダ製、カメラはキャノンなど、経済的に非常に深い関わりがあるということも紹介頂きました。さらに日本に約550万台ある自販機のボタン部分は、すべてバングラデシュ製ということで、「皆さんが自販機で飲み物を買うときに、バングラデシュに触れているのだ」と、日本とバングラデシュの意外な関係を紹介してくださいました。
~ 政治的側面 ~
第二次世界大戦中には、Mr. Subhas Bose(チャンドラ・ボース)をはじめとする多くのバングラデシュ人が日本に協力しました。チャンドラ・ボースは、日本人の協力を得ながら、英国から独立を勝ち取るための「インド国民軍」を作り上げた人物です。Majumder公使は、戦死されたチャンドラ・ボース氏の遺灰は杉並区の蓮光寺に眠っているという話を紹介してくださいました。
また、大戦後の東京裁判の裁判官の一人となったJustice Radha Binod Pal(パル判事)についても紹介いただきました。パル判事は、連合国側の裁判官全員が日本の被告を有罪とする主張をする中、ただ一人これに対して客観的な証拠に基づき反対した方です。日本人はこのことを決して忘れず、今も靖國神社にパル判事の碑があるということを紹介してくださいました。
さらに、天皇皇后両陛下のバングラデシュへの訪問や、バングラデシュ建国の父ムジブル・ラーマン大統領の娘である現シェイク・ハシナ首相と安部総理との交流など、日本とバングラデシュの強い政治的つながりを紹介くださいました。また、1973年以来たくさんの青年海外協力隊員がバングラデシュの津々浦々で活動をしていること等、草の根レベルでも交流がなされているとお話いただきました。
プレゼンテーションの最後は、バングラデシュの国花である睡蓮と日本の国花である桜をMajumder公使の可愛らしいお孫さんたちの写真とMajumder公使のご近所の日本人のお子さんたちの写真を並べながら、非常に良く似た両国同士、これからも一緒に笑っていきましょう、という温かい言葉で飾ってくださいました。 |