サイエンステクノロジー ⑦ 人物往来 ⑦ 若山利文さん Mr.Toshifumi Wakayama New Science Technology こういう技術があった。

株式会社BBB 代表取締役 若山利文さん

地球環境問題や食の安全・安心が大きな関心事となった。

株式会社BBB 代表取締役 若山利文さん

地球環境問題や食の安全・安心が大きな関心事となっている今、農業公害と言われている蓄糞の処理と有機農業、有機畜産、有機水産の振興を結ぶ新しいパラダイムの展開を推進する株式会社BBBを設立し、ズーコンポストに賭ける若山社長を取材しました。新技術の事業化と普及に尽力する若山さんの着眼点の良さ、起業の原動力は彼の生い立ちの原点にあるようだ。

 

 バイオマスで循環型社会を目指す、その原点は…
著書の中で、「戦時中、鉄工所を経営していた父は、資産のほとんどすべてを中島飛行機と日本カーボンの株式に変えていたので、敗戦と共に全財産を失い、戦後も間もない昭和23年には病を得て床に伏す身となった。・・・・・中略・・・・・
結局昭和25年の暮れも近い12月24日、父は心臓麻痺であっけなく他界してしまった。典型的な医療過誤であった。手に職を持たない母は、41歳で未亡人となり、6人の子供を育てなければならない。」そのときまだ小学校5年生だった若山さんはアルバイトで自分の学費を稼ぎながら中学・高校・大学に通った。その時の苦しかった環境を思うと、その後どんなことにも耐えられたという。

この時の経験が後に「誰もやらないことを事業化する」というパイオニア精神を培った。

宮崎県都農町にあるバイオマス・ビレッジ“ビオ ファーム”

 

 貧乏学生生活から、グルメ三昧の生活へ

大学ではわずかな奨学金を頼りに、若山さんの24時間フランス語漬けの猛勉強が始まった。日本の高度成長でヨーロッパ人、特にフランス人の間で文化人や財界人が来日することが多くなり、在学中にアルバイトで通訳やガイドをするようになった。
フランス語ができるというだけではガイドにはなれない。日本の社会、政治、経済に関する深い知識がないと外国人VIPを満足させることは出来ない。日本文化の伝統、様式についての膨大な情報を記憶し、それを自分の言葉としてフランス語で説明することは大変だ。しかし、若山さんは「フランス語の習得に要したあの努力と比べれば苦労でもなんでもなかった」という。

フランス人が例外なく感嘆の声を挙げたのは、夕暮れどきに訪ねる清水寺本堂の桧皮葺きの屋根の美しさで、若山さんは、フランス人と一緒に京都や奈良の美しい寺社仏閣を訪ねて、それまで気が付かなかった日本の美しさも発見したという。

ガイドをするようになって、若山さんは「貧乏学生生活から、一足飛びにグルメで贅沢三昧の生活へと華麗な転身を遂げることとなった」という。

 

 外国人の視点で、日本文化の神髄を知る

1~2週間朝から晩まで外国人客と一緒に旅行し、何百という質問を受け、それに答えるための勉強をするということを繰り返しているうちに「次第にフランス人の目でモノを見、彼らの論理と尺度でモノを考えるようになった」という若山さん。 「フランス人にとって、家族や友人と一緒にテーブルを囲んで楽しく会話をすることが人生の究極の目的であり、日本人は生きるために食べ、フランス人は食べるために生きる、と言っても良いほどの差があった」と当時を振り返る。
古都をガイドする際には、「仏教が日本文化の中に残した足跡への強い関心と鋭い質問」に明確な答えの要求のために勉強したそうだ。環境への思いもその頃から培われたものだろう。高度成長、列島改造で日本の良さや日本人の心意気が失われていく中、フランス人の視点が、日本古来の伝統、精神世界に深い関心を寄せていることに感銘を受けたという。
その後、大学を卒業した若山さんは、在日フランス大使館の商務経済部に勤務し、1970年の大阪万博の開催時期に、2000人を超えるあらゆる業界人の訪日のアレンジメントを任された機会に大使館を辞して会社を設立した。
 フランスの養殖牡蠣は、日本原種の末裔
「1970年代初め、フランスの牡蠣の養殖場で病気が発生し、ほとんどの養殖牡蠣が壊滅状態に陥ったことがあり、フランスの業者に頼まれて、日本から緊急に病気に強い広島や仙台の的矢牡蠣の種を大量に空輸でフランスに持ち込んだという。日本産の種牡蠣は、フランスの環境に見事に順応し、壊滅に瀕していたフランスの養殖業を救っただけでなく、新しい種の導入により、日本原種の牡蠣が美食家フランス人の味覚を楽しませているが、そのことを知っている日本人は少ない。


フランス人と食卓を囲んだ時にその話をすると、「生牡蠣」の大好きなフランス人は目を丸くして、「今我々が食べている牡蠣は日本から緊急輸入された物の末裔だということは知っていたし、有名な話だけれど、あれはあなたがやったのか、ブラボー、メルシー」と敬意に満ちたまなざしで礼を言われ、ときには握手を求められるという。
この時、食の安全の大切さを知ったという。現在取り組んでいるバイオマス事業の有機水産や有機農業への思いもここにあるようだ。

 

 自然の摂理を利用した新技術「ズーコンポスト」

食の洋風化や農業の近代化が進むなかで、飼料を輸入に頼る加工型畜産が主流になり、このため大量の家畜糞尿を抱えるようになり、悪臭、川や湖沼、地下水の汚染など深刻な畜産公害と呼ばれる問題を引き起こしています。
家畜ふん尿は枯れ葉や藁と混ぜ合わせ堆肥とし、農地に返すことが基本ですが、堆肥化に4~5ヶ月掛かることや効率の良い化学肥料の普及で需要が伸びていません。若山さんが着目したのは、ロシアの宇宙技術のなかで、リサイクル技術として研究されてきたイエバエの活用でした。
豚糞にイエバエの卵を接種し、幼虫に孵(かえ)しその幼虫にふん尿を処理させるというものです。もちろん温度や湿度を整え、幼虫の本来の活動を活発化させ、僅か7日間で優れた有機肥料(写真右上)とタンパク質の豊富な幼虫(写真右下)を生産するというもの。このロシアで研究された幼虫は自らの特殊な酵素でふん尿を分解し、肥料も幼虫自身も抗菌性の高い物質なのだそうです。これが限られた宇宙空間で人間が生き延びるために開発されたシステムなのです。

この幼虫を乾燥粉末化し、生体の細胞を活性化し、病気の原因となる活性酸素を除去する力を持ったマイナス水素イオン粉末を加え、養殖魚、ウナギ、養鶏などの飼料に10%程混ぜて与えると抗生物質の投与がなくても罹病せず、健康で安全な食品に仕上がると言います。

糖尿病、膠原病、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病や癌に、活性酸素が関与していることはよく知られていますが、水素粉末を食品に配合することで多くの病気を治すことが出来るという臨床的可能性が学界で相次いで発表されています。

イエバエの卵がふん尿を分解し、
7日間でサラサラの有機肥料に

抗菌、高タンパクの幼虫は有機飼料に

 

水素を粉末にする画期的な発明の独占的事業化権を持つ若山さんはこの水素を活用して、鶏インフルエンザや鯉ヘルペスを予防し、安全な魚やウナギと有機肥料で栽培された新鮮な野菜を食卓にという「夢のリサイクルシステム」に向かってスタートを切りました。


 ズーコンポストで「食の安全・安心」を
 
飼料の高騰に悩む畜産農家にとっては、ふん尿廃棄の費用が不要になり、蓄糞公害が解消され、副産物の肥料や幼虫が販売出来ることで収入が増えるという夢のようなプロジェクトなのだ。
近年、生活者の「食の安全・安心・品質」への関心は高く、安全で、良質な野菜、穀物が望まれている。有機肥料の供給で農薬の使用が軽減され、安全で食味のよいものが生産され、養殖、養鶏で薬品の投与が減少し安心して食べられる魚や鶏は受け容れられると確信しているようだ。まさに一石三鳥というのも頷ける。
イエバエの培養や実証には既に宮崎県都農町に実験農場を持ち、10年以上の研究を重ねてきて全国から見学者も多く関心は高いという。養殖エビや養殖うなぎを輸出商品にしてきたベトナムなど東南アジアからの引き合いも多く見学に訪れているという。

化石燃料の弊害が顕著化した今、植物由来の原料を活用して石油に代わる、バイオ燃料、植物性プラスティック、蓄糞をリサイクルしてメタンを取り出しエネルギー源としていく、ズーコンポストで有機農業、有機水産に有効に活用していく事業は21世紀型の持続可能な社会の実現に近づくだろう。この一片を担う若山さんのプロジェクトにかかる期待は大きい。

北海道、神内ファーム会長に熱っぽく語る若山さん

 


 若山利文 Profile

1939年、新潟県生まれ。東京外国語大学フランス語科卒業。(在日)フランス大使館、商務部勤務。1980年、日本ユーロテック株式会社 代表取締役就任。
日本エダップ・テクノメド社(日仏合弁)、セーヌ河船上レストラン(パリ)、ネイタス・ジャパン社(日米合弁)、バガテル・ジャポン社、(株)水素研究所、サンテ・コーポレーション社など15社の設立・経営に関与。
現在、株式会社BBB代表取締役。 La M仕aille de la Ville de Paris受賞。
著書:「マイナス水素イオンと健康革命」「水素と生命」(NaNaブックス)

 

 


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